一般相対論では計量テンソル場について行列式を利用しますね。この行列式が時空の歪みとして変分をとるときに変化するのはいいと思いますが、単に座標変換でも変化します。というものがよく定義できないということの理由をすぐに述べられるでしょうか。
結局、線形代数
一般相対論的には、「計量テンソル場は2階の共変テンソル場であるからその成分は同じ変換を2回受けるから」ですかね。線形代数的には、「計量テンソル場が線形変換でないから」で終わりです。これだけでは味気ないので説明をしておくと、線形写像について、基底とに関するの表現行列をとします。座標(基底)変換をし、基底変換の変換行列を、の変換行列をとし、基底とに関するの表現行列をとします。そうすると、
ですね。この行列式をとってみます。
です。一般には、なので、です。つまり、というものはよく定義できないということです。逆に、2階混合テンソル場だったら、それは線形変換ないしとしてはたらくので、のようなものを考えることはできます。
計量テンソルの表現行列の行列式の意味
計量テンソル場成分は座標変換したときに、その変換性は
となりますよね。ここにかかっている変換が逆でなかったがために行列式が座標変換で変化を受けたのです。上の記号でいえばです。この行列式をとるのですが、変換性をみるとわかるように、なのです。だからです。改めて、, , とおくと、
です。わかりやすく書けば
です。つまり、表現行列の行列式の比の平方根が座標変換したときのヤコビアンに値するんですね。